米株週間サマリー 主要株価指数は揃って大幅安 利上げ懸念強い

NYダウは▼4.13%、S&P500は▼4.77%、ナスダックは▼5.48%と主要株価指数は揃って大幅反落。指数構成銘柄の25銘柄が上昇、478銘柄が下落と構成銘柄の95%超が下落する全面安の様相となっている。ラッセル2000中小型株指数は▼4.50%、フィラデルフィア半導体株指数 (SOX) は▼5.83%と大幅安。S&P500グロース株指数(SGX)は▼5.72%、、S&P500バリュー株指数(SVX)は▼3.86%と先週とは対照的にバリューがアウトパフォーム。9/13 (火) に発表された8月のCPIが市場予想に反して前月比+0.1%(予想▼0.1%)と物価上昇が加速したことがFRBによる引き締めペース加速懸念に繋がったほか、FedExGeneral Electricなど大手資本財・輸送株がガイダンスを下方修正したことから3Q決算に対する警戒感が高まったことも重しとなった。

9/12(月)

主要株価3指数は揃って4営業日続伸。翌日の8月CPIについて市場が前年同月比+8.0%と7月の同+8.5%から減速することを期待した買いが入ったほか、ドル高一巡もセンチメント改善に繋がった。債券市場では国債利回りは小幅に上昇しており、2年債利回りは+0.5bps、3.576%、10年債利回りは+4.4bps、3.365%に上昇。尚、当日実施された320億ドルの10年債および410億ドルの3年債の入札は軒並み低調な内容となった。最高落札利回りは10年債が3.330%、3年債が3.564%となった。

9/13(火)

主要株価指数は揃って反落し、NYダウ・ナスダックは日中ベースで今年最大の下落率を記録。朝方発表された8月のCPIが市場予想を上回る上昇率を記録し、FRBによる利上げペース加速を警戒しリスク回避姿勢が強まる格好となった。CPIは前年同月比8.3%上昇と上昇率は7月(8.5%)から減速したが、市場予想(8.0%)を上回った。エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率は6.3%と7月(5.9%)から加速し、市場予想(6.0%)も上回った。家賃や医療サービスなど幅広い項目で上昇がみられ「高物価が米経済に定着しつつあることを浮き彫りにした」とエコノミストは指摘。米金利先物市場では20~21日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の4倍にあたる1.0%の利上げを決めるとの観測が急浮上し、米国市場では短期投資家による投げ売りが午後に入ってから加速し、米政府が中国による台湾侵攻を阻止するため対中制裁を検討すると報じられ地政学リスクが意識されたことも相場の重しとなった。債券市場では米債利回りが長短期ともに急上昇し逆イールドは拡大しており、2年債利回りはほぼ15年ぶりの水準となる3.794%にまで上昇した。

9/14(水)

主要株価3指数は揃って反発。前日に今年最大の下げを記録したこともあり自律反発を見越した買いが入ったものの、FRBによる利上げ加速への警戒感が根強く残る中で一時的にNYダウが▼219ドルまで下げる場面がみられるなど、方向感に欠ける展開となった。債券市場では短期債利回りが前日に続き上昇しており、2年債利回りは+4bps、3.797%に上昇。

9/15(木)

主要株価指数は揃って反落。FRBによる利上げ観測が依然として根強く残る中で、来週のFOMCでFRBが75bpsの追加利上げを実施するとの見方が強まり株安に繋がった。同日発表された8月の小売売上高は前月比+0.3%と市場予想(横ばい)を上回ったことも利上げを支援すると捉えられた。債券市場では前日に続き短期債利回りの上昇が顕著となっており、2年債利回りは+8.5bps、3.867%にまで上昇しており、一時は3.879%にまで上昇する場面もみられた。

9/16(金)

主要株価指数は揃って続落。物流大手FedEx {FDX US Equity} の1Q決算速報値および通期会社計画の下方修正を受けて、世界経済や企業業績の下振れ懸念が強まったことが嫌気された。FedEx {FDX US Equity} はマクロ環境は6-8月期の後半にかけて著しく悪化しており、そのトレンドは米国外(欧州・アジア)だけに留まらず米国でも顕在化していると述べており、既に業績の目線が切り下がっていたところからの下方修正であることから市場ではサプライズ視された。債券市場ではFedEx {FDX US Equity} の決算を受けて世界経済の鈍化観測が強まったことで長短期ともに利回り低下。

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