欧州株週間サマリー 利上げ観測の高まりでSTOXX600は反発

STOXX600指数は▼2.89%と反落。STOXX600指数構成銘柄の115銘柄が上昇、485銘柄が下落、2銘柄が横ばいとなった。各域内株価指数はイギリスFTSE100が▼1.56%、ドイツDAXが▼2.65%、フランスCACが▼2.17%、スペインIBEXが▼0.60%、イタリアFTSEMBが+0.07%、オランダAEXが▼3.08%、スウェーデンOMXが▼2.72%、スイスSMIが▼2.66%。ファクター別ではバリューがグロースに対して優位。

9/12(月)

STOXX600指数は3営業日続伸。電力会社の資金難による破綻を防ぎ、エネルギー料金の高騰から家計を守るために、EU加盟国が打ち出している数十億ユーロ規模の救済策が注目されており、エネルギー価格の一部緩和への期待からSTOXX600は3週間弱ぶりの高値にまで回復。また、ウクライナ軍がロシア軍から奪還した領土でさらに前進し、ウクライナ戦争によるエネルギー危機が緩和される可能性があるとの期待も投資家心理を押し上げた。債券市場ではドイツ債利回りが序盤の上昇から低下に転じたものの、数年ぶりの高水準近辺を維持。ECB当局者の多くがインフレを抑制するために利上げを実施する方針を示していることから、今後も利回りの上昇圧力が強い状況が継続するとの意見が多くみられる。

9/13(火)

STOXX600指数は4営業日ぶりに反落。8月の米CPIが市場予想を上回りFRBによる利上げ観測が高まったことが相場の重しとなり、欧州市場にも売りが波及し下げ幅を拡大する格好となった。債券市場では米CPIを受けてユーロ債利回りが軒並み上昇。また、同日に総額200億ユーロを超える債券が発行されており、ドイツが2年債リオープン(銘柄統合)入札で42.9億ユーロを調達か、イタリアが3年、7年、30年債リオープン入札で75億ユーロを調達。EUは新型コロナウイルス復興基金の財源を調達するため、シンジケート団を通して120億ユーロの債券を発行している。大量の債券が発行されたことによる需給悪化も相場にとって債券市場にとって重しとなっている。

9/14(水)

STOXX600指数は続落。前日に続きFRBによる引き締め観測が重しとなっており、英国では8月のCPIが市場予想に反してYoYの伸び率が1年半ぶりに鈍化するも、1年先の期待インフレ率については過去最高を記録したことから市場の不安を払拭するには至らなかった。債券市場では短期債利回りを筆頭に利回りは上昇。市場参加者の間ではEUのエネルギー価格高騰対策には一定の効果がみられようが、コアインフレが上昇し続ける限りは引き締めを余儀なくされるとの見方が多くみられる。

9/15(木)

STOXX600指数は3営業日続落。欧米の金融引き締め懸念や地政学リスクへの懸念から軟調推移が継続。スペインでは政府がECBとの対立を避け銀行への課税を見直す可能性がると報じられており、同国の銀行株は逆行高となっている。債券市場では、ドイツの短期債利回りを筆頭に域内利回りは上昇。また、ドイツでは10-30年債利回りが一時逆イールドとなる場面もみられた。

9/16(金)

STOXX600指数は4営業日続落。IMFや世界銀行が景気悪化について警告したことや、FRBが来週のFOMCで大幅な利上げを決めるとの見方が大勢となったことが相場を押し下げた。世界銀行は9/15夜に中央銀行が高止まりしているインフレを抑えるために積極的な金融引き締めを進めているため、世界経済が景気後退に近づいている可能性があると発表。また、IMFは7-9月期に景気が減速するとの見通しを示した。債券市場ではドイツ2年債利回りが上昇し11年ぶりの高水準に上昇。ECB当局者が物価を抑制するための利上げ措置をきょうちゅしたほか、域内のインフレ指標が上方改定されたことも利回り上昇圧力に繋がった。

コメントする