株式市場下落時に、高配当株は輝くのか?

以下のグラフは、S&P500と高配当株のリターンを年ごとに比較したもの。ITバブル崩壊やリーマンショック、コロナバブル崩壊など、株安局面で高配当株は、プラスリターンもしくは下落幅を抑えていることが分かるだろう。

では、高配当株を買うべきなのかというと、私はそうは思わない。そもそも、株自体買うべきではないと思っている。

株があがるかどうかは、金融環境にゆだねられている。FRBが利上げを進めている今、株を持つこと自体ナンセンスなのである。

債券市場、利上げを4%まで織り込む

2年債利回りは4%まで上昇。

歴史的に金利ピークアウト後は、株式市場は底打ち感が出るが、今年はどうか。

FOMC次第。

筆者的には、金利ピークとも見れる水準感。。

欧州株週間サマリー 利上げ観測の高まりでSTOXX600は反発

STOXX600指数は▼2.89%と反落。STOXX600指数構成銘柄の115銘柄が上昇、485銘柄が下落、2銘柄が横ばいとなった。各域内株価指数はイギリスFTSE100が▼1.56%、ドイツDAXが▼2.65%、フランスCACが▼2.17%、スペインIBEXが▼0.60%、イタリアFTSEMBが+0.07%、オランダAEXが▼3.08%、スウェーデンOMXが▼2.72%、スイスSMIが▼2.66%。ファクター別ではバリューがグロースに対して優位。

9/12(月)

STOXX600指数は3営業日続伸。電力会社の資金難による破綻を防ぎ、エネルギー料金の高騰から家計を守るために、EU加盟国が打ち出している数十億ユーロ規模の救済策が注目されており、エネルギー価格の一部緩和への期待からSTOXX600は3週間弱ぶりの高値にまで回復。また、ウクライナ軍がロシア軍から奪還した領土でさらに前進し、ウクライナ戦争によるエネルギー危機が緩和される可能性があるとの期待も投資家心理を押し上げた。債券市場ではドイツ債利回りが序盤の上昇から低下に転じたものの、数年ぶりの高水準近辺を維持。ECB当局者の多くがインフレを抑制するために利上げを実施する方針を示していることから、今後も利回りの上昇圧力が強い状況が継続するとの意見が多くみられる。

9/13(火)

STOXX600指数は4営業日ぶりに反落。8月の米CPIが市場予想を上回りFRBによる利上げ観測が高まったことが相場の重しとなり、欧州市場にも売りが波及し下げ幅を拡大する格好となった。債券市場では米CPIを受けてユーロ債利回りが軒並み上昇。また、同日に総額200億ユーロを超える債券が発行されており、ドイツが2年債リオープン(銘柄統合)入札で42.9億ユーロを調達か、イタリアが3年、7年、30年債リオープン入札で75億ユーロを調達。EUは新型コロナウイルス復興基金の財源を調達するため、シンジケート団を通して120億ユーロの債券を発行している。大量の債券が発行されたことによる需給悪化も相場にとって債券市場にとって重しとなっている。

9/14(水)

STOXX600指数は続落。前日に続きFRBによる引き締め観測が重しとなっており、英国では8月のCPIが市場予想に反してYoYの伸び率が1年半ぶりに鈍化するも、1年先の期待インフレ率については過去最高を記録したことから市場の不安を払拭するには至らなかった。債券市場では短期債利回りを筆頭に利回りは上昇。市場参加者の間ではEUのエネルギー価格高騰対策には一定の効果がみられようが、コアインフレが上昇し続ける限りは引き締めを余儀なくされるとの見方が多くみられる。

9/15(木)

STOXX600指数は3営業日続落。欧米の金融引き締め懸念や地政学リスクへの懸念から軟調推移が継続。スペインでは政府がECBとの対立を避け銀行への課税を見直す可能性がると報じられており、同国の銀行株は逆行高となっている。債券市場では、ドイツの短期債利回りを筆頭に域内利回りは上昇。また、ドイツでは10-30年債利回りが一時逆イールドとなる場面もみられた。

9/16(金)

STOXX600指数は4営業日続落。IMFや世界銀行が景気悪化について警告したことや、FRBが来週のFOMCで大幅な利上げを決めるとの見方が大勢となったことが相場を押し下げた。世界銀行は9/15夜に中央銀行が高止まりしているインフレを抑えるために積極的な金融引き締めを進めているため、世界経済が景気後退に近づいている可能性があると発表。また、IMFは7-9月期に景気が減速するとの見通しを示した。債券市場ではドイツ2年債利回りが上昇し11年ぶりの高水準に上昇。ECB当局者が物価を抑制するための利上げ措置をきょうちゅしたほか、域内のインフレ指標が上方改定されたことも利回り上昇圧力に繋がった。

米株週間サマリー 主要株価指数は揃って大幅安 利上げ懸念強い

NYダウは▼4.13%、S&P500は▼4.77%、ナスダックは▼5.48%と主要株価指数は揃って大幅反落。指数構成銘柄の25銘柄が上昇、478銘柄が下落と構成銘柄の95%超が下落する全面安の様相となっている。ラッセル2000中小型株指数は▼4.50%、フィラデルフィア半導体株指数 (SOX) は▼5.83%と大幅安。S&P500グロース株指数(SGX)は▼5.72%、、S&P500バリュー株指数(SVX)は▼3.86%と先週とは対照的にバリューがアウトパフォーム。9/13 (火) に発表された8月のCPIが市場予想に反して前月比+0.1%(予想▼0.1%)と物価上昇が加速したことがFRBによる引き締めペース加速懸念に繋がったほか、FedExGeneral Electricなど大手資本財・輸送株がガイダンスを下方修正したことから3Q決算に対する警戒感が高まったことも重しとなった。

9/12(月)

主要株価3指数は揃って4営業日続伸。翌日の8月CPIについて市場が前年同月比+8.0%と7月の同+8.5%から減速することを期待した買いが入ったほか、ドル高一巡もセンチメント改善に繋がった。債券市場では国債利回りは小幅に上昇しており、2年債利回りは+0.5bps、3.576%、10年債利回りは+4.4bps、3.365%に上昇。尚、当日実施された320億ドルの10年債および410億ドルの3年債の入札は軒並み低調な内容となった。最高落札利回りは10年債が3.330%、3年債が3.564%となった。

9/13(火)

主要株価指数は揃って反落し、NYダウ・ナスダックは日中ベースで今年最大の下落率を記録。朝方発表された8月のCPIが市場予想を上回る上昇率を記録し、FRBによる利上げペース加速を警戒しリスク回避姿勢が強まる格好となった。CPIは前年同月比8.3%上昇と上昇率は7月(8.5%)から減速したが、市場予想(8.0%)を上回った。エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率は6.3%と7月(5.9%)から加速し、市場予想(6.0%)も上回った。家賃や医療サービスなど幅広い項目で上昇がみられ「高物価が米経済に定着しつつあることを浮き彫りにした」とエコノミストは指摘。米金利先物市場では20~21日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の4倍にあたる1.0%の利上げを決めるとの観測が急浮上し、米国市場では短期投資家による投げ売りが午後に入ってから加速し、米政府が中国による台湾侵攻を阻止するため対中制裁を検討すると報じられ地政学リスクが意識されたことも相場の重しとなった。債券市場では米債利回りが長短期ともに急上昇し逆イールドは拡大しており、2年債利回りはほぼ15年ぶりの水準となる3.794%にまで上昇した。

9/14(水)

主要株価3指数は揃って反発。前日に今年最大の下げを記録したこともあり自律反発を見越した買いが入ったものの、FRBによる利上げ加速への警戒感が根強く残る中で一時的にNYダウが▼219ドルまで下げる場面がみられるなど、方向感に欠ける展開となった。債券市場では短期債利回りが前日に続き上昇しており、2年債利回りは+4bps、3.797%に上昇。

9/15(木)

主要株価指数は揃って反落。FRBによる利上げ観測が依然として根強く残る中で、来週のFOMCでFRBが75bpsの追加利上げを実施するとの見方が強まり株安に繋がった。同日発表された8月の小売売上高は前月比+0.3%と市場予想(横ばい)を上回ったことも利上げを支援すると捉えられた。債券市場では前日に続き短期債利回りの上昇が顕著となっており、2年債利回りは+8.5bps、3.867%にまで上昇しており、一時は3.879%にまで上昇する場面もみられた。

9/16(金)

主要株価指数は揃って続落。物流大手FedEx {FDX US Equity} の1Q決算速報値および通期会社計画の下方修正を受けて、世界経済や企業業績の下振れ懸念が強まったことが嫌気された。FedEx {FDX US Equity} はマクロ環境は6-8月期の後半にかけて著しく悪化しており、そのトレンドは米国外(欧州・アジア)だけに留まらず米国でも顕在化していると述べており、既に業績の目線が切り下がっていたところからの下方修正であることから市場ではサプライズ視された。債券市場ではFedEx {FDX US Equity} の決算を受けて世界経済の鈍化観測が強まったことで長短期ともに利回り低下。

今後の株価はどうなる?年末の米株は強い。

年末の株式相場は強い」とよく言われるが、本当にそうなのだろうか。1950年から今日までの相場を振り返って検証してみよう。

結果からお伝えする。以下のグラフは1950年から2021年のS&P500のパフォーマンスを平均したものである。

これを見ると、8~10月は上がりにくいが、11月から株価が右肩上がりになっていることが分かる。「年末の株式相場は強い」というのは、あながち間違っていないようだ。

年末に株価が上がる理由としては様々であり、どれも不明確だが、年末商戦による消費の刺激や、新年度に向けたポートフォリオ整理等が考えられる。

では、今年のような相場ではどうだろうか?

相場が弱気の年(年初よりも年末の株価が低い年)をピックアップし、チャート化したグラフがこれだ。

これを見ると、相場が弱気の年は、年末の株価が横ばいになっていることが分かるだろう。1年通して年末は比較的強い時期とも言える。

さて、FRBによる利上げ等を背景に、相場が一年通して弱気である今年はどのような動きをするか。以下のチャートを見て想像してみてほしい。

筆者のプロフィール

  • 大学生時代、株式投資を勉強し始め、元手を4倍に。
  • 株の面白さを追求するため、一橋大学卒業後、運用会社に就職。
  • 運用会社では企業分析、ポートフォリオ運用を担う。

「個人に投資を広めたい」という思いから、当ブログを書いている。

個人の資産運用に、ぜひとも活用していただきたい。