株式市場は、選挙結果が確定的となり、争点であり懸念点であった選挙が無事回避されたことに大喜びした。また、減税と規制緩和を推進するドナルド・トランプ政権への後退に、株式投資家も大喜びしている。
関税や財政赤字への懸念は、債券市場には重しとなっているようだが、株式市場には今のところ影響していない。
今後、株式アナリストは業績予想を上方修正していく可能性が高いだろう。これは、トランプ大統領が法人税率を21%から15%に速やかに引き下げることによる。
現時点で、業界アナリストは、2025年に274ドル、2026年に308ドルと予想しているが、減税効果を織り込むことで上方修正が見込まれる。これは株式市場にとってはもちろんポジティブである。
トランプ大統領による法人税減税、規制緩和、労働生産性向上の加速により、S&P500の利益率は大きな改善が期待できる。また、ロシアとウクライナの戦争や、中東での戦争が早期に解決されることで、ブル姿勢は強まっていくだろう。
もちろん、バリュエーション・マルチプルは依然として高い。利下げによる景気後退リスクの後退や、上記の利益率改善効果により、バリュエーションの拡大は期待できるが、ヒストリカルで高水準であることには疑う余地がない。
株式市場が描く未来図に、少しでも綻びが見られれば急落を招くだろう。雇用とインフレには警戒しておきたい。