
左:ハイパースケーラー・ネオクラウドのAI収益とCapEx減価償却費(四半期)。2025年Q4に初めて四半期収益が償却費を上回った。右:累積ベースでは、収益は累積償却費にほぼ並びつつあるが、適正な収益余裕(headroom)を含めた必要水準にはまだ半分しか届いていない。フロー(毎期)では採算が取れ始めているが、これまでに積み上げた投資の全体像から見れば、回収はまだ道半ば。

過去50年間にわたるS&P500の最大セクターの変遷。1970〜80年代はエネルギー、2000年前後は情報技術、リーマン後は金融が最大セクターとして時代を彩ってきた。そして今、情報技術の比率はドットコム期のピークをも超えて過去最高に達している。

ハイパースケーラー各社のFCFマージン(設備投資控除後、過去12カ月)。Microsoft・Meta・Alphabetはいずれもすでに低下傾向にあり、コンセンサス予想では2027年にかけてS&P500中央値を下回る水準まで落ちる見通し。AI投資の拡大が、かつてこれらの企業を特別たらしめていたキャッシュ創出力を侵食している。

韓国の家計・投資機関の投資可能資金(上)と広義マネー(M2、下)を、株式時価総額に対する比率で示したもの。どちらも過去最低水準まで急落し、株式市場に流入できる手元資金が歴史的に枯渇していることを示す。

S&P500の予想EPS(12カ月先コンセンサス、対数目盛)。EPSは右肩上がりで最高値圏にあり、強い利益モメンタムが投資家の楽観を支えている。だが過去を振り返れば、EPSの勢いがピークをつけた直後に弱気相場や大きな調整が訪れてきた。2000年も2007年も、利益は絶好調に見えていた。

NYSE総合指数をGDPで調整した長期チャート。この比率が過去に同じ高さに届いたのは、ニフティ・フィフティ、ドットコム、サブプライム、2021年末——いずれも相場の天井圏だった。足元のAI相場も、その同じ水準に並んでいる。トレンドはなお強気だが、歴史上まれにみる割高な市場にいることも確かだ。

ヘッジファンドの米国株プライムブックに占めるマグニフィセント7のエクスポージャー。グロス・ネットともに2026年初のピークから急低下し、1年以上ぶりの低水準に並んでいる。注目すべきは、この低下がロング解消だけでなくショート積み増しによって加速している点だ。

中国の対外取引に使われる通貨の構成比(月次)。2010年にはほぼ米ドル建てだったが、人民元の比率は年々高まり、足元ではドルを上回るまでになった。中国は2008年の金融危機後、ドル依存を減らすべく人民元の国際化を進めてきた。CIPSの構築や上海での人民元建て原油取引、対イラン貿易の人民元決済など、その積み重ねが構成比の逆転として表れている。

ハイパースケーラー5社(AMZN・GOOG・MSFT・META・ORCL)のEBITDA、設備投資、自社株買いの推移(四半期)。設備投資はEBITDAを上回る速さで急増し、その原資を捻出するように自社株買いは急減している。

米国の私募ファンドが抱えるテクノロジー・セクターへのエクスポージャー(2025年末)。ビジネス・ディベロップメント・カンパニー(BDC)はソフトウェアが2割ほどを占め、プライベート・エクイティでは新規投資の4割超がソフトウェアに偏っている。

金鉱株とS&P500のフリーキャッシュフロー利回りの差。長らく金鉱株はS&P500より見劣りしていたが、足元では初めてプラスに転じ、過去20年超でほぼ例のない水準に達した。金鉱株がS&P500より割安に放置されている、珍しい局面にある。

台湾株式市場の信用取引残高(左)と、株式・ETFを担保にした借り入れ(右)。信用残高はドットコム期のピークに迫り、過去1年で倍以上に膨らんだ。株式担保の借り入れも過去最高を更新している。

中東湾岸からアジア(中国・インド・日本)への大型原油タンカー(VLCC)運賃。米イランの暫定合意でホルムズ海峡の再開期待が高まり、輸入各社が原油を積み取ろうと一斉に船を押さえ始めた。その結果、運賃は急騰している。緊張の高まりではなく、むしろ緩和への期待が運賃を押し上げている。

左:G20の非金融企業向け信用残高(棒)とGDP比(線)。右:2026〜30年に償還を迎える社債を、借入コスト別に積み上げたもの。企業の債務は高水準まで膨らんでいる。その借り換えがこれから始まるが、多くは発行時より高い金利での再調達を迫られる。

S&P500情報技術セクター(赤)と、S&P500全体(青)の長期予想利益成長率(LTEG、5年先コンセンサス)。ITも市場全体も、ITバブル天井の2000年を超えて過去最高に達した。市場はどこまでの成長を織り込めば気が済むのだろうか。

世界の半導体株(白)の値動きを、ITバブル期のナスダック100(青)に重ねたチャート。歴史は韻を踏んでいるのだろうか。

H100(GPU)のレンタル価格指数(Ornn Compute)。レンタル料は5月をピークに急落している。

LLMのトークン支出インデックス(Silicon Data)。トークン支出はやや反発、ここで底打ちとなるか。

メガキャップ・テック(Roundhill Big Tech ETF、MAGS)のS&P500に対する相対強度(MAGS/SPX、週足)。

フィラデルフィア半導体指数(SOX)で「1日5%以上の上昇」が直近60営業日に何回あったかを示したもの。足元では9回に達し、過去にこの水準が現れたのは主要な天井の直後か、弱気相場のどん底だけだった。

フィラデルフィア半導体指数(SOX、月足)と、その月次RSI。


半導体指数(SOX)のS&P500に対する相対強度(SOX/SPX)。

ゴールドマン・サックスの金価格見通し。下方修正。

S&P500とナスダック100の半月ごとの季節性(1928年以降、棒は平均リターン、数字は勝率)。7月前半は両指数とも年間で最も強い2週間で、S&P500は平均+1.5%・勝率69%、ナスダック100は平均+2.1%・勝率76%にのぼる。

半導体セクターが世界株式(MSCI ACWI)に占める比率を、時価総額・利益・売上高の3つで並べたもの。3本は長らく一致して動いてきたが、2023年以降は時価総額だけが急上昇し、足元で約14%に達した。一方で利益は約6.5%、売上高は約2.3%にとどまり、時価総額の比率は利益の約2倍、売上の約6倍に開いている。

AIトークンに費やす1ドルの内訳。実際にユーザーへ届く成果(出荷された製品)はわずか0.18ドルで、残る0.82ドルはAIが生んだバグの修正(0.44)、コードの書き直し(0.27)、レビューや手戻り(0.11)に消えている。

BofAファンドマネージャー調査で「金は割高」と答えた人の純比率。2024〜25年は純40%超が割高とみていたが、足元では約0%まで低下し、2024年2月以来の低さとなった。金の上昇局面で根強かった「割高」という慎重論が薄れ、運用者の見方はほぼ中立に戻ったことを示す。

S&P500の時価のうち、まだ実現していない「将来の成長期待」で説明される割合(PVGO比率)。足元は長期平均を大きく上回り、上限の2標準偏差に迫っている。つまり指数の価値の半分以上が、現在の利益ではなく今後の成長への期待に支えられている。同じ水準が現れたのはITバブル期だった。

PVGO比率(横軸)と、その後10年の年率リターン(縦軸)の関係。両者は緩やかな逆相関(r=-0.26)にあり、成長期待が高い局面ほど将来のリターンは低めに出やすい。ただし相関は弱く、ばらつきも大きいため、確たる予測ではなくあくまで傾向にとどまる。現在のPVGOは約54%と高く、この関係に乗れば今後10年のリターンは平均を下回りやすい。あくまで “傾向に乗れば” だが。

ヘッジファンドの半導体・製造装置向けエクスポージャー(グローバル総エクスポージャーに占める比率)。グロス・ネットともに過去最高まで上昇し、ネットは約22%に達している。指数もヘッジファンドのポジションも同じ場所に偏っており、巻き戻しが始まれば影響は大きい。

米国の家計貯蓄率の推移。足元は約2.6%まで低下し、過去の安値圏に並んでいる。同じ水準が現れたのは、GFC前の過剰な借り入れ局面(2005〜06年)と、コロナ給付金を使い切った局面(2022年)だった。家計が貯蓄を取り崩して支出を続けている状態であり、過去には信用バブルと重なってきた水準でもある。

米国の実質個人消費と、移転給付を除いた実質個人所得の推移(2016年=100)。消費(約130)が所得(約124)を上回って伸び続け、足元では所得が頭打ちから低下に転じている。稼ぎ以上に使っている状態であり、その差は貯蓄の取り崩しや借り入れで埋められている。先の貯蓄率の低下と合わせれば、消費を支える原資が細りつつあることがわかる。

米国の各種家計所得の伸びと、消費の伸び(前年比)。賃金・給与、移転給付を除く所得、実質可処分所得(RPDI)のいずれも減速し、足元ではゼロ近傍からマイナスに沈んでいる。それでも消費の伸びは約+2%とプラスを保ち、所得を上回ったままだ。所得の伸びが失われつつあるのに消費だけが先行しており、いずれ消費が所得の側へ引き戻される圧力は強い。

ブレント原油先物に対する投機筋(マネージドマネー)のドル建てショート残高。足元は約180億ドルと過去最高に膨らみ、これまでのピーク(12〜13b)を大きく上回る。投機筋がこれほど一方向に売りを傾けた局面では、価格が少し上がるだけでも買い戻しが連鎖しやすい。原油安への賭けが極端に積み上がっていること自体が、むしろ反発(ショートスクイーズ)の燃料になりうる。

景気循環の4局面と、各局面で有利な資産・金利曲線の動きを一枚にまとめた枠組み(BofAインベストメント・クロック)。時計回りに、リセッション(債券)→リカバリー(株式)→ブーム(コモディティ)→スタグフレーション(現金)と移り、局面の節目で利回り曲線がスティープ化・フラット化する。

米ISM製造業景況指数と韓国輸出(前年比)の連動。韓国輸出は世界の貿易・製造業サイクルの先行指標であり、両者は長らく同じ方向に動いてきた。だが足元では韓国輸出だけが大きく伸び、ISMの緩やかな改善を先行して上回っている。もっとも、この急増の大部分は半導体・メモリ価格の上昇によるものだ。世界の需要が広く回復しているというより、AI関連への偏りを映したものであり、ISMが同じように追いついてくるとは限らない。

S&P500に占める半導体セクターの比率。構成比は18.8%まで上昇し、過去最高を更新した。ITバブル期(2000年)のピークでも8%程度であり、いまはその倍以上にあたる。指数全体が半導体、ひいてはAIサイクルに依存していることの表れである。S&P500はシクリカル性が高まっている。

中央銀行の金保有比率と、個人投資家の金配分比率の長期推移。どちらも1980年のピーク(中銀62.4%、個人8.3%)を大きく下回り、いまは26.6%と2.7%にすぎない。直近では両者とも上向き始めたが、水準としては依然として歴史的な低さにある。
