【米国相場解説】ウォラーFRB理事、ハト派発言

2日、ウォラーFRB理事をはじめとする3人の当局者が、金融当局は来年にかけて利下げを継続するとの見通しを明らかにしました。

ウォラーFRB理事は、現時点で、今月のFOMCでの追加利下げ支持に傾いていると発言。
インフレに関しては、主要サービス分野の物価が上昇する兆候は見られないと述べました。
また、労働市場に関しては、ようやく均衡状態に入り、今の状態を維持するために追加利下げを支持すると述べました。

まずは、インフレに関して詳しく見ていきましょう。

チャートは、FRBがインフレ指標として重視している、PCEコアデフレーターです。
最新10月のPCEコアデフレーターは、前月比0.3%上昇、前年比2.8%上昇と市場予想と一致も、FRBが目標としている2%とは、いまだ乖離があります。

10月の伸び加速は、サービス価格の上昇が大きく影響しました。
住宅とエネルギーを除くサービス価格は、前月比0.4%上昇し、3月以来の大幅な伸びとなりました。

PCEコアデフレーターの予測トレンドをみると、FRBが目標とする2%に向けては、少なくとも対前月比で0.2%の上昇に落ち着かせる必要があります。

ウォラーFRB理事は、直近のデータで懸念されたサービス物価に関して、予想外に上昇する兆候は見られないと述べています。
ウォラー氏の見方通り、サービス物価の上昇が落ち着けば、PCEコア全体でも懸念はなくなると考えられます。

次に労働市場です。

10月時点の失業率は4.1%となっています。
一般的に、米国の自然失業率は4から5%とされているため、適正水準でしょう。

ウォラー理事は、足元の労働市場は均衡状態にあり、この状態を維持すべきだと述べています。

新規失業保険申請件数のデータや、次期政権がトランプに決まったことにより、雇用のセンチメントが改善していることを踏まえると、利下げせずとも均衡状態は保たれそうな気はしますが。

なにはともあれ、このまま利下げサイクルが継続した場合、金融市場は最高の状態に入ります。
ゴルディロックス相場というやつですね。

チャートは、FRBが利下げを開始してからの、S&P500のパフォーマンスを並べたものです。
このまま利下げサイクルが継続するならば、98年や95年のような最高の相場を迎えることができるでしょう。

今回紹介したチャートは、すべてサイトに掲載していますので、よかったらチェックしてみてください。

ではまた明日!

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