25日のS&P500は、+0.30%の上昇となりました。
次期財務長官にウォール街出身のスコット・ベッセント氏が起用されたことで、ウォール街の意向を考慮した政策が期待できるとの見方が広がりました。
始めてヘッジファンド運用者が財務長官に就任したのは、2017年のスティーブン・ムニューシン氏ですが、彼は17年間ゴールドマンサックスにおり、ファンド運営の期間は短かったです。
一方でベッセント氏は、大学卒業後からずっと運用業界で活躍しており、運用畑の財務長官は史上初でしょう。
そのため、ベッセント氏は世界の金融システムに精通しており、その点も市場から評価されていると考えられます。
テクニカル的には、短期の安値を結んだサポートラインを維持できるか、直近の高値を超えるか否かが焦点です。
次に季節性から株価を見てみましょう。
グラフは1960年から2023年の、S&P500の年平均パフォーマンスを示したものです。11月末は株価が強含む季節性があります。
また、このグラフは1960年から2023年の、10から12月の、S&P500の平均パフォーマンスを5分位したものです。
足元の株価は、上位40から60%の平均パフォーマンスと同程度の水準であり、過熱感は見当たりません。
yutakabu.comが注目している米小型株ですが、足元アウトパフォーム傾向にあります。
グラフは、アメリカの小型株指数ラッセル2000とS&P500の相対指数を示したものです。青線の上昇は小型株のアウトパフォームを表します。
ベッセント氏が財務長官に選ばれたことや、米金利の下落を受け、景気改善見通しが高まったことが背景として考えられます。
短期的なリスクイベントとしては、アメリカ27日発表予定のPCEコアデフレーターです。市場予想は前月比0.3%上昇となっており、この水準が続けばインフレ懸念がかなり意識されてしまうでしょう。
次に米金利です。
米金利は大幅下落、10年債利回りは4.27%となりました。
次期財務長官が決定した安心感や、ベッセント氏がトランプ次期政権の政策を和らげるとの期待感が広がりました。
市場は何よりもボラティリティを嫌います。ベッセント氏により政策の漸進化が図られるとすれば、金融市場にはポジティブでしょう。
金利低下を受け、ドルインデックスも下落しています。