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鉱工業生産指数・製造業生産指数とは
米国の鉱工業生産指数は、鉱業、製造業、公益事業の生産活動を測定する指標で、基準年を100として生産量の増減を示します。製造業生産指数は鉱工業生産指数の中でも製造業に特化し、耐久財や非耐久財の生産動向を評価します。設備稼働率は実際の生産量を設備の総生産能力で割った割合で、景気やインフレ圧力の判断に重要です。通常80%が健全な水準とされ、高すぎる場合はインフレリスク、低すぎる場合は設備過剰を示します。これらの指標は景気循環分析や政策決定、投資判断に利用され、連邦準備制度理事会(FRB)が公表する重要な経済データです。
詳細な解説
米国の経済指標である鉱工業生産指数、製造業生産指数、稼働率は、米国経済の製造業や工業部門の活動状況を評価するための重要な指標です。
まず、「鉱工業生産指数」とは、鉱業、製造業、公益事業の生産活動を測定する指標です。この指数は基準年(例えば2017年)を100として計算され、現在の生産量が基準年と比べてどの程度増減しているかを示します。鉱業では石油・ガスの抽出や鉱石の採掘、製造業では耐久財(自動車、家電)や非耐久財(食品、衣料品)の生産、公益事業では電力・ガス・水道の供給が含まれます。この指標はGDPとの相関が高く、景気動向を把握するために利用されます。
次に「製造業生産指数」は、鉱工業生産指数の中でも製造業に特化した指標です。製造業は鉱工業の中で最も大きな割合を占めるため、この指数は特に注目されています。製造業生産指数は耐久財と非耐久財の生産活動を測定し、製造業が雇用や輸出に与える影響を評価します。この指数も景気の拡大や縮小を判断するための重要な指標です。
最後に「稼働率」とは、工業部門で利用可能な設備がどの程度稼働しているかを示す指標です。これは実際の生産量を設備の総生産能力で割った割合で計算されます。通常、稼働率が80%前後であれば健全とされ、70%以下では設備過剰、90%を超えるとインフレリスクが高まる可能性があります。稼働率は景気の良し悪しやインフレ圧力を判断するために利用され、FRBが金利政策を決定する際の参考にもなります。
これらの指標は、米国経済の製造能力や生産活動の現状を把握するために欠かせないものであり、景気循環の分析、政策決定、投資判断などに広く活用されます。連邦準備制度理事会(FRB)がこれらのデータを定期的に公表し、経済活動の透明性を高めています。
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2025年3月(4/16発表)|ニュートラル・堅調だが関税影響はこの先
ニュートラル
・3月の鉱工業生産指数は市場予想を下回り0.3%低下も、前月データ上方修正でトントン。
・稼働率も悪化せず。
・米国が二国間合意に至るまで投資計画は棚上げ状態か。
・上乗せ関税が発表された4月のデータには注意。