なぜFRBによる利下げは、インフレを引き起こすのか

利下げとは?
FRBが利下げを行うということは、「政策金利(フェデラルファンド金利)」を引き下げることを意味します。政策金利とは、銀行同士が短期間でお金を貸し借りする際の金利で、これが下がると市中金利(私たちが借りるローン金利や企業が借りる金利)も下がる傾向があります。
つまり、利下げは「お金が借りやすくなる」政策だと考えてください。

利下げが経済に与える影響
利下げによって金利が下がると、次のような効果があります:
①個人の消費が増える
・住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの金利が低くなるため、消費者はお金を借りることに抵抗が少なくなります。
・そのため、家や車、その他の商品・サービスを購入する人が増え、消費が活発化します。
②企業の投資が増える
・企業もお金を借りるコストが下がるため、新しい事業への投資や設備の購入を積極的に行います。
・これにより、経済全体の生産活動が活発化します。
③資産価格が上昇する
・金利が下がると、債券や株式、不動産などの資産の価値が上がる傾向があります。
・資産価格が上昇すると、資産を持つ人々が「お金持ちになった」と感じ、さらに消費を増やすことがあります(これを「資産効果」と呼びます)。

インフレが高まるメカニズム
利下げによる消費や投資の増加、資産価格の上昇が、最終的にインフレ(物価の上昇)を引き起こすのは以下のような流れです:
①需要が増える
消費者がたくさん買い物をし、企業が投資を行うことで、モノやサービスに対する「需要」が急増します。
②供給が追いつかない
・需要が増えた場合、供給がそれに追いつかなければ、モノやサービスの価格が上がります(これがインフレの始まり)。
③お金の価値が下がる
・金利が低いと、銀行に預けていてもあまり利息がつかないため、人々はお金を使いたがります。
・市場に出回るお金の量が増えると、結果として「お金の価値」が下がり、モノやサービスの価格が上昇します。

※必ずインフレが高まるわけではない
ただし、利下げが必ずしもインフレを高めるわけではありません。たとえば、経済がすでに冷え込んでいる場合(不況時)には、利下げをしても消費や投資が思ったほど増えず、インフレが進まないこともあります。

①FRBが利下げを行うと、金利が下がり、お金を借りやすくなります。
②これにより、消費や投資が増え、需要が拡大します。
③需要が増えると、供給が追いつかず、物価が上昇し、インフレが進みます。
このように、利下げは経済を活性化させる一方で、インフレを高める可能性がある政策です。経済状況を見極めながら慎重に行われる必要があります。

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