【経済指標チャート】ISM製造業新規受注指数

2024年11月

新規受注指数は、7か月連続の縮小の後、11月に拡大し、10月の47.1から3.3ポイント上昇して50.4となった。大製造業セクターのうち、3つ（食品・飲料・タバコ製品、コンピューター・電子製品、機械）が新規受注の増加を報告した。短期的な需要に対する懸念を表明するコメントと肯定的なコメントの比率は1対1で、10月と比較して改善。

2024年10月

10月のISM製造業新規受注指数は、47.1となり、9月の46.1から上昇した。依然、新規受注の先行きの不透明感が強い。6大製造業のうち、新規受注が増加したのは、2業種（食品・飲料・タバコ製品、コンピューター・電子製品）のみである。

ISM製造業新規受注指数とは

ISM製造業景況指数（ISM Manufacturing Index）のサブ指数の一つである新規受注指数（New Orders Index）は、製造業における新しい注文の状況を示す指標です。これは、製造業の将来の生産活動や経済全体の健康状態を予測するうえで極めて重要な役割を果たします。

新規受注指数は、製造業の購買担当者を対象とした月次アンケート調査に基づいています。具体的には、企業が受け取った新しい注文の数や価値について尋ねられ、回答は「増加」、「減少」、「変化なし」の三つの選択肢で行われます。これらの回答をもとに、指数が算出されます。

新規受注指数の値が50を超える場合、それは新規注文が増加していることを示し、製造業セクターの拡大を意味します。逆に、50未満の値は新規注文が減少していることを示し、製造業の縮小を示唆します。指数の変動は、製造業の需要動向をリアルタイムで反映するため、企業や投資家、経済政策立案者にとって重要な情報源となります。

新規受注指数は、特に経済の先行指標としての役割が大きいです。なぜなら、新規注文の増減は将来の生産活動に直接影響を及ぼすからです。例えば、新規受注が増加している場合、企業は生産を増やすために設備投資や雇用を拡大する可能性が高くなります。これにより、経済全体の成長が促進されることが期待されます。

また、新規受注指数はサプライチェーンの状況や消費者需要の変動を示す手がかりともなります。特に、特定の業界や製品に対する需要の変化が早期に察知できるため、企業は戦略的な意思決定を迅速に行うことが可能です。

総じて、新規受注指数は製造業の将来の動向を見極めるうえで欠かせない指標であり、経済全体の動向を予測するための重要なツールとして利用されています。