【経済指標チャート】PCEデフレーター・PCEコアデフレーター

2024年11月（最新）

－PCEデフレーターは前月比0.1%上昇、市場予想は0.2%上昇
－前年同月比では2.4%上昇、市場予想は2.5%上昇
－PCEコアデフレーターは前月比0.1%上昇、市場予想は0.2%上昇
－前年同月比では2.8%上昇、市場予想は2.9%上昇

ブルームバーグ：価格は幅広い分野で伸びが減速した。住宅とエネルギーを除くコアサービス価格は前月比0.2％上昇と、８月以来の小幅な伸び。食品とエネルギーを除いたコア財価格は３カ月ぶりに低下した。自動車など財への支出が前月から持ち直し、実質ＰＣＥの伸びに大きく寄与した。一方、サービスへの実質支出は１月以来の弱さとなった。

2024年10月

－PCEデフレーターは前月比0.2%上昇、市場予想と一致
－前年同月比では2.3%上昇、市場予想と一致
－PCEコアデフレーターは前月比0.3%上昇、市場予想と一致
－前年同月比では2.8%上昇、市場予想と一致

ブルームバーグ：10月の伸び加速は、サービス価格の上昇が大きく影響。株価が上昇する中でポートフォリオ運用費が上昇。住宅とエネルギーを除くサービス価格は前月比0.4％上昇し、３月以来の大幅な伸び。食品とエネルギーを除く財の価格は前月比横ばい。金融政策当局者が利下げに慎重な姿勢を示していることを裏打ちする内容。

2024年9月

PCEデフレーターは前月比0.2%上昇、市場予想と一致
- 前年同月比では2.1%上昇、市場予想と一致
PCEコアデフレーターは前月比0.3%上昇、市場予想と一致
- 前年同月比では2.7%上昇、市場予想は2.6%上昇

ブルームバーグ：財とサービスの両方で根強い物価圧力が示された。住宅とエネルギーを除くサービス価格は前月比0.3％上昇と、前月から加速。食品とエネルギーを除いた財価格は0.1％上昇した。食品価格は0.4％上昇した。

PCEデフレーターとは
PCEコアデフレーターとは

PCEデフレーターとは

PCEデフレーター（Personal Consumption Expenditures Deflator）は、個人消費支出（PCE）の価格変動を測定するための指数です。経済学において、インフレーションやデフレーションを評価する重要な指標の一つとして利用されます。PCEデフレーターは、特定の基準年を100とした価格指数を計算し、消費者が支出する際の財やサービスの価格変動を追跡します。

PCEデフレーターの計算方法は、名目個人消費支出を実質個人消費支出で割り、その結果を基準年の価格指数で調整することによって行われます。名目個人消費支出とは、実際の支出金額を反映したものであり、インフレーションの影響を受けます。一方、実質個人消費支出は、インフレーションの影響を取り除いたもので、実際の購買力を反映します。したがって、PCEデフレーターは名目支出と実質支出の比率を示し、価格変動の影響を測定することができます。

PCEデフレーターは、連邦準備制度（FRB）などの中央銀行によって、経済政策の策定やインフレーション目標の設定に使用されます。インフレーション率を評価する際に、PCEデフレーターは消費者物価指数（CPI）と並んで重要な役割を果たしますが、PCEデフレーターはより広範な消費者支出の範囲をカバーし、また消費者の購買行動の変化を反映するため、経済学者や政策立案者にとって有用な指標とされています。

PCEコアデフレーターとは

PCEコアデフレーターは、PCEデフレーターと基本的に同じ方法で計算されますが、食品とエネルギーという価格変動が特に激しい項目を除外している点が異なります。食品とエネルギーの価格は、天候や国際的な供給状況など外部要因によって大きく変動することがあり、これが全体のインフレーション率の評価を難しくすることがあります。

したがって、PCEコアデフレーターは、こうした変動を除いた「基礎的な」インフレーション率を測定する目的で使用されます。これにより、中央銀行や政策立案者は、経済の基調的なインフレーション圧力をより正確に把握することができるのです。例えば、エネルギー価格が急騰している場合、PCEデフレーターは高いインフレーション率を示すかもしれませんが、PCEコアデフレーターはその影響を排除しているため、基調的な価格動向をより明確に示すことができます。

PCEコアデフレーターは、FRBがインフレーション目標を設定する際に特に重要視される指標です。これは、食品とエネルギーの価格変動が短期的な要因によるものである場合が多いため、長期的なインフレーションのトレンドを評価する際には、こうした変動を除外した方がより正確な分析が可能だからです。したがって、PCEデフレーターとPCEコアデフレーターは、共に経済分析に不可欠なツールであり、それぞれの特性を理解し、適切に使用することが求められます。