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NFIB中小企業楽観指数の『雇用計画』と『価格計画』の時系列チャートです。「雇用計画」は、今後3か月で新たに雇用を増やす企業の割合から解雇を計画する企業の割合を引いたネット値で、労働市場の先行きを示します。「価格計画」は、今後3か月に価格を引き上げる計画がある企業の割合を表し、インフレ傾向を予測します。両者とも先行指標として機能し、雇用計画は労働市場の動向を、価格計画は物価変動の可能性を予測する手掛かりとなります。(詳細は後述)
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「NFIB中小企業楽観指数」分析チャート↓
NFIB中小企業楽観指数|チャート・データ解説
NFIB中小企業楽観指数(雇用計画・価格計画)
小型株相対指数 vs NFIB中小企業楽観指数
非農業部門雇用者数 vs NFIB中小企業 雇用計画
米インフレ指標 CPI・PCED vs NFIB中小企業 価格計画
チャートの詳しい解説
NFIB中小企業楽観指数は、全米独立企業連盟(NFIB)が毎月中旬に発表する米国の経済指標で、中小企業の景況感を測るものです。この指数は、雇用計画、価格計画、在庫投資計画など10の項目から構成され、季節調整済みのデータとして1986年を基準(100)として算出されます。米国では中小企業が労働人口の約50%を占めるため、この指標は経済全体の動向を把握する上で重要な役割を果たします。特に雇用計画と価格計画は、中小企業の将来の活動や経済環境への適応を示す具体的な要素として注目されます。
雇用計画は、中小企業が今後数カ月間で従業員を増やすか減らすかを示す項目です。この計画は、企業の成長意欲や労働市場の需給バランスを反映しており、雇用増加が見込まれる場合は景気拡大の兆候、逆に減少傾向なら景気後退の可能性が考えられます。例えば、雇用計画が上昇すれば、企業が需要増加を見込んで積極的に採用を進める姿勢が伺え、労働市場の活性化や消費拡大につながる可能性があります。一方、雇用計画が低迷すると、企業がコスト削減や不確実性への備えを優先していることが示唆されます。
価格計画は、中小企業が製品やサービスの価格を引き上げるか引き下げるかを計画しているかを示します。この項目はインフレ圧力やコスト増への対応を測るもので、価格引き上げが多ければ原材料費や人件費の上昇が企業に影響を与えていると推測できます。逆に価格据え置きや引き下げが支配的だと、競争激化や需要減退が背景にある可能性があります。価格計画の上昇は、消費者物価指数(CPI)などのインフレ指標に先行するシグナルとなり得るため、経済全体の物価動向を予測する手がかりとなります。
これらの指標を分析に活かす場合、雇用計画と価格計画を組み合わせることで、景気の方向性やインフレリスクをより深く理解できます。例えば、雇用計画が強く価格計画も上昇している場合、経済が過熱しつつある可能性があり、金融政策の引き締めが議論されるかもしれません。一方で、雇用計画が弱く価格計画が低迷すれば、デフレ懸念や景気停滞が浮上し、緩和策が求められる状況が考えられます。投資家や政策立案者は、このデータを用いて市場動向や通貨価値、利子率の変動を予測し、戦略を立てる際に活用します。