【経済指標チャート】ISM製造業景況指数 vs 銀行貸出態度

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【経済指標チャート】ISM製造業景況指数 製造業PMI

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【レポート】なぜ銀行貸出態度が緩和的になると、ISM製造業景況指数は改善するのか

「ISM製造業景況指数」と「銀行貸出態度」は連動する傾向にあります。貸出態度が緩和的になると、ISM製造業景況指数の改善が期待できます。

ISM製造業景況指数とは

ISM製造業景況指数(Institute for Supply Management Manufacturing Index)は、米国の製造業の健康状態を評価するための経済指標です。米国供給管理協会(ISM)が毎月発表しており、製造業における新規受注、生産、雇用、供給納期、在庫の5つのカテゴリに基づいて計算されます。この指数は、製造業の購買担当者に対するアンケート調査を元にしており、各カテゴリのサブ指数を合成して総合指数として表されます。

指数の値は0から100の範囲で示され、50を基準として製造業の拡張(50以上)と縮小(50以下)を示します。例えば、指数が50を上回る場合、それは製造業が成長していることを意味し、50を下回る場合は縮小を示します。また、50という値は製造業の活動が前月と同程度であることを示します。

ISM製造業景況指数は、製造業の現状を迅速かつ包括的に把握できるため、経済アナリストや政策決定者にとって非常に重要な指標となっています。また、金融市場においてもこの指数は重要視されており、発表のタイミングでは市場に大きな影響を与えることがあります。

FRBが公表する銀行貸出態度とは

FRB(Federal Reserve Board、米連邦準備制度理事会)が公表する「銀行貸出態度調査」(Senior Loan Officer Opinion Survey on Bank Lending Practices)は、米国の商業銀行の貸出態度や貸出条件に関する情報を収集するための四半期ごとの調査です。この調査は、米国内の主要な商業銀行および外国銀行の米国支店を対象に実施され、銀行の貸出基準、需要動向、貸出条件の変化などを評価します。

調査結果は、企業向け融資、商業用不動産ローン、住宅ローン、消費者ローンなど、さまざまなタイプの融資に関する情報を提供します。これにより、銀行がどのような基準で貸出を行っているか、また企業や個人がどの程度融資を求めているかが分かります。特に、貸出基準が緩和されているか厳格化されているか、また貸出需要が増加しているか減少しているかを把握することが可能です。

この調査結果は、FRBが金融政策を決定する際の重要な参考資料となるだけでなく、経済アナリストや投資家にとっても有益な情報源となります。貸出態度の変化は、経済全体の信用供給状況や景気動向に直接影響を与えるため、金融市場においても大きな注目を集めます。

ISM製造業景況指数と銀行貸出態度の相関関係

ISM製造業景況指数とFRBが公表する銀行貸出態度調査の結果は、米国経済の異なる側面を反映しているため、相関関係を持つことがあります。ISM製造業景況指数は製造業の健康状態を示し、銀行貸出態度調査は信用供給環境を示します。これら二つの指標は、経済全体の動向を理解する上で相互に補完的な役割を果たします。

例えば、ISM製造業景況指数が高い場合、製造業の活動が活発であり、企業が拡張や設備投資を行う可能性が高くなります。この状況下では、銀行も企業への貸出を増やす傾向が強まり、貸出態度が緩和されることが予想されます。一方、指数が低下する場合、製造業が縮小し、企業の借入需要が減少する可能性が高くなります。この場合、銀行は貸出基準を厳格化することが考えられます。

また、信用供給環境が緩和されている場合、企業は容易に資金を調達できるため、設備投資や生産活動が活発になり、ISM製造業景況指数が上昇する傾向があります。逆に、貸出態度が厳格化されると、企業の資金調達が難しくなり、製造業の活動が鈍化する可能性があります。

したがって、これら二つの指標は互いに影響を与え合うことが多く、経済の循環過程を理解するためには両者を併せて分析することが重要です。

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