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月次更新|米国のコンファレンスボード『インフレ期待』の時系列チャートです。消費者が今後12か月間の物価上昇率についてどの程度予測しているかを測定する指標で、インフレの先行きに関する心理を示します。(データ解説は後述)
インフレ期待とは
米国のコンファレンスボード『インフレ期待』は、消費者が今後12か月間の物価上昇率についてどのように予測しているかを調査する経済指標です。この指標は、消費者心理を測定するコンファレンスボードの消費者信頼感指数の一部を構成し、個人消費や経済活動に対する消費者の期待を把握するために活用されます。
この指標から、消費者が感じているインフレ圧力の程度が分かります。たとえば、インフレ期待値が上昇すると、消費者が今後の物価上昇を予測し、購買行動を前倒しする可能性があるため、短期的な消費拡大につながる場合があります。しかし、インフレ期待が高まりすぎると、実際のインフレ圧力を強め、金利上昇や購買力の低下を招き、経済の安定性が損なわれるリスクもあります。一方、インフレ期待が低下すると、消費者が支出を控える可能性があり、デフレ懸念や経済活動の停滞につながることがあります。
この指標は、政策立案者や金融市場にとって重要な役割を果たします。中央銀行はインフレ期待の動向をモニタリングし、金融政策の調整に役立てます。例えば、インフレ期待が過度に高まる場合には、利上げを通じて物価安定を図る可能性があります。逆に、インフレ期待が低下しすぎる場合には、緩和政策を検討することがあります。
時系列チャートを分析する際は、インフレ期待の長期的なトレンドや短期的な変動を観察します。上昇トレンドは物価上昇圧力や景気加熱を示唆し、下降トレンドはデフレリスクや景気冷却を示します。また、他の経済指標(例えば失業率や賃金動向)と比較することで、より包括的な経済分析が可能となります。政策や市場動向との相関性を確認することも重要です。
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応用チャート↓
米インフレ指標CPI・PCE vs コンファレンスボード インフレ期待
「コンファレンスボード」関連チャート↓
コンファレンスボード 消費者信頼感指数
コンファレンスボード 現況指数と期待指数
コンファレンスボード 労働市場に関するアンケート
コンファレンスボード インフレ期待
コンファレンスボード 株高/株安を予想する割合
2025年3月(3/25発表)
12か月のインフレ期待は2月の5.8%から3月の6.2%へと再び上昇し、消費者は卵のような主要家庭用品の高価格や関税の影響に対する懸念を抱え続けている。インフレが依然として消費者にとって大きな懸念であり、特に貿易政策と関税の影響に対する懸念が増していることを示している。
2025年2月(2/25発表)
12か月間のインフレ期待は2月に5.2%から6%に急上昇した。この増加は、粘着性のあるインフレに加え、卵などの主要家庭用品の価格急騰や関税の影響が予想されることが要因である可能性が高い。インフレや価格に関する言及は引き続き記述式回答で高い順位を占めているが、焦点は他の話題に移りつつある。貿易や関税に関する言及が急増し、2019年以来の水準に戻った。特に、現政権およびその政策についてのコメントが回答を支配した
2025年1月(1/28発表)
12ヵ月間のインフレ期待値は5.1%から5.3%に上昇し、最近のインフレの粘り強さを反映している可能性がある。さらに、インフレと物価への言及が引き続き回答用紙の大半を占めている。今後12か月で金利が上昇すると予想する消費者は過半数(51.4%)を超えた。金利が低下すると予想する割合は、前月の28.5%から1月には23.9%に減少した。これは、2025年の金利引き下げペースが鈍化する可能性を示唆する最近のFRBのシグナルや、住宅ローン金利の継続的な上昇と一致している。
2024年12月
12ヵ月の平均インフレ期待値は5.0%で安定し、2020年3月以来の低水準となった。さらに、インフレと物価への言及が書き込み回答の大半を占めた。2025年により手頃な価格になると予想される商品やサービスを尋ねたところ、消費者の多くは食品とガソリンを選んだ。スポーツジムやライブイベント、コンサート、スポーツにかかる費用は、来年より手頃になる可能性が最も低いと考えられている。
2024年11月
インフレ期待は前月の5.3%から11月には4.9%へと低下し、2020年3月以来の低水準となった。さらに、米国の11月選挙に注目と焦点が移ったため、書き込み回答ではインフレと物価への言及が減少した。しかし、物価上昇は依然として関心の的である: 2025年への懸念と希望に関する特別な質問では、消費者は圧倒的に物価上昇を最大の懸念事項として、物価下落を新年への希望事項として選択した。