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週次更新|米国のクレジットスプレッド、『ハイイールド債(HY)スプレッド』と『投資適格社債(IG)スプレッド』の時系列チャートです。米国の債券市場が経済の先行きをどう評価しているかを分析する際に有用です。スプレッドが大きいほど、債券市場がリスクを高く見積もっていることを意味し、小さいほどリスクへの懸念が少ないと解釈されます。(詳細は後述)
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「米金利」分析チャート↓
S&P500と米金利の変動理由まとめ
米金利(10年債利回り) vs Citiエコノミックサプライズ指数
米国ハイイールド債スプレッド・投資適格社債スプレッド
米ブレークイーブンインフレ率(期待インフレ率)
チャートの詳しい解説
クレジットスプレッドとは、企業が発行する社債の利回りとリスクフリー資産(通常は国債)の利回りの差を指します。この差は、投資家が社債に投資する際に求める追加のリスクプレミアムを表しており、経済や企業の信用リスクに対する市場の見方を反映します。具体的には、米国10年物国債利回りを基準として、それと比較した社債の利回りの差がクレジットスプレッドとなります。例えば、国債利回りが3%で社債利回りが5%なら、スプレッドは2%です。この数値が大きいほど、市場がリスクを高く見積もっていることを意味し、小さいほどリスクへの懸念が少ないと解釈されます。
ハイイールド債スプレッド(HYスプレッド)は、信用格付けが低い(BB+以下)企業が発行する高利回り債(ジャンク債)のクレジットスプレッドを指します。これらの債券はデフォルトリスクが高いため、投資家はより高い利回りを要求し、スプレッドも大きくなります。HYスプレッドからは、経済全体の健康状態やリスク資産への投資意欲が分かります。例えば、スプレッドが拡大(例: 6%超)すると、投資家が景気後退や企業倒産を警戒している可能性があり、縮小(例: 3~4%)すると楽観的な見方が強まっていると推測できます。歴史的には、リセッション前にHYスプレッドが急上昇する傾向があり、市場の警戒信号として注目されます。
投資適格社債スプレッド(IGスプレッド)は、信用格付けが高い(BBB-以上)企業が発行する社債のクレジットスプレッドです。これらの債券は比較的安全とされ、デフォルトリスクが低いため、スプレッドはHYに比べて小さめです。IGスプレッドからは、主に安定企業の資金調達環境や市場のリスク回避姿勢が分かります。例えば、スプレッドが1%以下なら市場が非常に安定していると見られ、2%を超えるとやや慎重な見方が広がっている可能性があります。IGスプレッドの変動は、経済の微妙な変化を捉えるのに有用で、中央銀行の政策やインフレ期待とも連動します。
数値の基準については、歴史的な平均や状況に応じた目安があります。HYスプレッドの平均は約4~5%で、3%以下は非常に楽観的、6%超は危機的とされます。一方、IGスプレッドは平均1.5~2%程度で、1%未満は過度な楽観、3%超はストレスを示します。これらの基準は経済環境(成長期、リセッション期)や金利水準によって変動するため、過去データ(例: 2008年金融危機時のHYスプレッドは20%超)や現在の国債利回りと比較して解釈する必要があります。クレジットスプレッドを見ることで、市場が経済の先行きをポジティブ(縮小傾向)かネガティブ(拡大傾向)と見ているかを判断でき、投資戦略や政策判断に役立ちます。