米国の攻撃を受けてイランどう出る?金融市場の3つのシナリオ

日本時間22日午前11時すぎ、トランプ大統領はホワイトハウスで演説し「アメリカ軍はイランの3つの主要な核施設を標的とした大規模な精密攻撃を行った。われわれの目的はイランの核濃縮能力の破壊と、世界最大のテロ支援国家がもたらす核の脅威を阻止することだった。私は世界に対して、この攻撃が軍事的に見事な成功を収めたことを報告できる」と述べた。

これを受けて、イランがどう行動するのか、金融市場がどのような道をたどるのか、大きく3つのシナリオが考えられる。

一つ目のシナリオは、『イランが和平を求める』というものである。

詳細:このシナリオは、1988年のイラン・イラク戦争(イライラ戦争)の終結とよく似ている。国際的に孤立したイランの当時の最高指導者は、生き残って再び戦うために屈辱的な敗北を受け入れた。今回の戦争においても、イラン側がこれ以上の戦闘は自国の統治を危うくすると判断すれば、緊張緩和につながるかもしれない。

金融市場はどうなる:原油価格は下落、世界中の株式市場は上昇、金価格は下落するだろう。イランのイスラム教指導者とその将軍たちが「狂人(狂信者ではあるが)」でなければ、イランは和平を求めることになるかもしれない。

二つ目のシナリオは、『イランがエスカレートする』というものである。

詳細:イランが和平を求めるということは、それは無条件降伏を受け入れるということを意味する。イランの神権政治的指導者たちが、無条件降伏を受け入れることなどあるだろうか。米国からの攻撃を受ける前から、最高指導者アリー・ハーメネイは「米国のいかなる軍事介入も取り返しのつかない結果をもたらすだろう」と警告していた。そして、攻撃を受けた後、「米国は自らの攻撃に対して報復を受けなければならない」と語っている。

金融市場はどうなる:イランの報復によって生じる損失は、紛争の拡大状況次第で、軽微なものから深刻なものまで様々であるが、イランが和平を求めるケースとは真逆の結果になるだろう。最悪のケースはホルムズ海峡封鎖に向けて動き出すことである。

三つ目のシナリオは、『政権交代』である。

詳細:イランの最高指導者アリー・ハーメネイは86歳である。現政権の出方次第では、クーデターや国内の暴動、あるいはその他予期せぬ事態によって、何らかの形で政権交代となる可能性はある。米国は、あくまでイランの核計画壊滅にのみ関与するとの姿勢を誇示していたが、トランプ大統領はトゥルース・ソーシャルにて、イランの政権交代に関心を持っていることを示した。

金融市場はどうなる:分からない。どのような政権にとって代わるか次第である。より過激になるか、穏健派なのか。理想的な結末は、ムッラー政権が打倒され、テロリズムではなく、国の繁栄を促進することを重視する新政権が樹立されることである。しかし、ムッラーが権力の座にとどまるか、軍事独裁政権にとって代わった場合、イランは変わらずテロリストとなり、戦争を長期化させ、大きな混乱を引き起こす可能性がある。

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