トランプ大統領は「イランの核施設3か所への攻撃を秘密裏に完了した」とトゥルース・ソーシャルに投稿した。

投資家にとって何が重要か:これまで解説してきたように、米国が手を出せば、米国に対するイランの報復を誘発する可能性が高くなる。イランの指導者は、米国が手を出せば報復するとの姿勢を強めていた。最高指導者アリー・ハーメネイは「米国のいかなる軍事介入も取り返しのつかない結果をもたらすだろう」と警告していた。イランが報復行為に出るとなれば、金融市場はみなさんが想像するような結果となる。
トランプ大統領は木曜日に「2週間以内にイラン攻撃を行うかどうか決定する」と声明を出していたが、早々に行動に移したことになる。これは、イラン政府が、「イスラエルが攻撃を停止しない限り、ウラン濃縮は停止せず、米国との交渉にも応じない」と表明したことや、欧州各国とイランとの会談がまったく意味をなさなかったことを背景に、早々に決断したのかもしれない。

最悪のシナリオ:これまで解説してきたように、投資家が最悪のシナリオとして警戒しているのは、米国が参戦するとの決断を下し、その報復としてイランがホルムズ海峡封鎖に向けて動き出すことである。世界の海上輸送原油の約3割がこの海峡を通る。原油輸送の「大動脈」であるホルムズ海峡が封鎖となれば、原油価格は120ドルまで急騰すると見ているアナリストもいる。

チャートが示すように、原油価格の上昇はインフレ期待の上昇を招く。インフレ期待の上昇は、株式、債券の下落圧力となる。株価下落より、原油上昇の方が変化率が大きくなるだろう。ヘッジはプラスに働くはずである。(そう祈っている)
