イスラエルがイランを攻撃 ― 投資家が注視すべきこと

イスラエルは13日未明、イランの核プログラムを標的とする広範な攻撃を実施した。

国際原子力機関(IAEA)がイランによる核不拡散義務違反を宣言し、イラン当局者がイスラエルから攻撃計画があると警告を受けたと発言した矢先の出来事だった。(これをもとに動画を作る予定だった、、)

トランプ大統領は木曜日に、イランの核施設に対するイスラエルの攻撃に公然と反対し、核合意が可能であるとまだ信じていると発言していた。

イランの攻撃からイスラエルを守るのを手伝ってきた米国は、今回の攻撃に関与していないと発言している。その真偽は置いておき、重要なのは金融市場の反応である。

S&P500先物は一時、2%近くまで下落。

金利は低下。

金価格は上昇。

WTI原油価格は、一時前日比+13%まで上昇。

これらの動きの中で、投資家が注視すべきなのは原油価格である。なぜか。原油価格の上昇はインフレに直結し、FRBの金融政策および市場金利動向に影響を与えるからである。

原油は経済活動の基礎資源であり、その価格が上昇すると、ガソリン、電力、化学製品、食品など幅広い分野でコストが上がり、消費者物価全体を押し上げる。チャートが示すように、原油価格と物価指数は、高相関の関係にある。

さらに、(当たり前といえば当たり前ですが)原油価格はインフレ期待とも高相関の関係にある。物価指数よりも、インフレ期待との方が連動性は高い。せっかく2%に近づいてきたインフレ期待が再び上昇基調となれば、FRBも利下げに踏み込みづらくなる。

以上のような因果関係もあり、原油価格の上昇は、金利上昇圧力につながる。足元の反応としては、地政学リスクの台頭による安全資産買いによって債券は買われ、金利は低下しているが、このまま原油価格が上昇することがあれば債券にもネガティブに働きかねない。

地政学リスクによる原油高はネガティブに働くのが常であり、悲観視すればスタグフレーション懸念の再来だ!となるが、イスラエルvsイランは今に始まったことではなく、米国が抑え役に回る可能性が高いため、地政学リスクは長続きしないともいえる。

いずれにせよ、原油価格の動向には警戒しておく必要がある。場合によっては、アンダーパフォームしているエネルギーセクターをロングしてもいいかもしれない。

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